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作家別マンガ批評

押切蓮介の漫画はおすすめが多すぎぃ!【魅力語り&作品批評】

2019年9月18日

なぜ押切作品はこんなにも面白いのか

ふと考えてみたが、押切蓮介にハマると、すべての作品が面白く感じる。ハズレはもちろんあるものの、そのハズレ作品すら楽しめる作りとなっている。

彼の作品全般を通して、どこが魅力かと言われたら・・挙げてみると以下のポイントを抑えていることは間違いない。

押切作品の面白さのヒミツ

  • 90年代に培ったゲーム脳が漫画に活かされている
  • 順風満帆ではない作者の描く苦労人としての世界観が良い
  • ホラー、ギャグ、恋愛など幅広いジャンルに対応

魅力を語ればキリがない。キリがない中で挙げると、こういった要素が必ず出てくる。兎にも角にも読んでもらわなければ始まらないのも事実。それではおすすめして行こう。

押切蓮介マンガをおすすめ順にレビュー【随時更新】

ぐらんば

「自信を持っておすすめです!」とは言えない作品。通常なら、駄作だったのひと言で終わるのだが・・。押切作品は、魅せることにも重きをおいている

本作ぐらんばはストーリーは退屈なのだけど、覚醒後のババアの動きがハンパない。バケモノ相手に、85歳という年齢を感じさせない戦いぶりが目に焼き付く。登場時とのギャップがでかい。

夫を殺した疑惑から物語は始まるが、その答え合わせも途中で入れてくる。「このタイミングで真相解明か」という衝撃により、ただの無双マンガじゃなかったんだなと安心(苦笑)

戦闘シーンは押切先生の得意分野。ババア無双も、押切ファンが見るとただの戦闘ではなく、すげえ描写なのである。1巻完結なので、急ぎすぎるような節は見えるが許容範囲だ。

「ぐらんば」のタイトルの意味ですが、「グランドマザー」と「ババア」をかけていると思われます。本作は、押切ファン限定におすすめで、それ以外の方はスルーでいいかと(苦笑)

HaHa

押切先生の母・亘江(ノブエ)の半生を描いた作品。かなり破天荒な女性であり、それでいて昭和後期のお母さん像を見事に映し出している。1980年前後に生まれた人は、僕を含めてノブエさんに母を感じるのでは。

押切先生から見た母・ノブエを描きつつも、ノブエから見た父母のことに触れ続けているのは良かった。ノブエさんの母もなかなか芯の通った人で、作中からにじみ出る娘思いな部分は伝わってくる。

そしてノブエさんの父親の厳格キャラ。押切先生の得意キャラなのでは?(笑)というくらい雰囲気がある。めちゃくちゃ格闘ゲームのボスキャラっぽさがあり、怖さが増々になっている気がした。悪そうだしw

押切蓮介作品を読んでいると、いいポジションにお母さんの存在がある。押切ママに興味があるなら、母特集という意味でおすすめしておきたい作品押切先生のネタは、ほぼ無いのでそこだけ注意

続きを描くのかは分からないのですが、ノブエさんの恋愛模様などを描いた作品も読みたいなと思いました。押切先生にしてみると、母親の恋愛トークなんて聞きたくないかもしれないですが(苦笑)

ピコピコ少年

押切蓮介の原点とも言える作品。しかし本作はデビュー作でもなく、ただのエッセイ漫画だ。なぜ原点なのかというと、ゲームに狂った作者の学生時代を描いているから。

90年代、当時の学生にはまだゲームで遊ぶことが、すごく未来的なものだった。ボタンを押して思いのままに操るものは、今でこそスマホだのパソコンだの普通にあるが当時は珍しいモノという認識。

ピコピコとボタンを押すことで、自由自在に何でも操作できる子供のワクワク感。刺激的で、クソゲーすらも愛することができた時代と言える。まさに昔は良かったおじさんの話。

そんな懐かしい思い出や、子供時代に全力で楽しんだことを、作者の実体験を描くことで面白おかしく感じることが出来る。90年代には、それだけ夢や希望があったなぁと思いにふける。

小学生男子を描くには、いかに馬鹿そうに見せるがポイントですが、本作の少年たちは全部バカです(笑)僕も今にして思い返せば、こういうことやってたなと。作品を見て思い返すアホぶりに感動ですw

ピコピコ少年TURBO

帰ってきたピコピコ少年という感じで、前作の続きになる。大まかな方向性は変わっていないのだけど、少年が大人に変わる過程も多く描いている。

女子を意識していることや、性への目覚め。またエロゲーもやるようになり、いよいよオタク気質も本格化している押切少年。第一作を楽しんで読めていれば、当然ながら買い推奨だ。

押切先生の記憶力もすごく、細かなことを相変わらず覚えており、友人たちとのやり取りを面白おかしく描いている。やはり押切少年にとって子供時代は宝なんだろうと推測。

実際に僕も子供時代のころは記憶に結構残っていて。住んでいた場所や、友人の何気ない行動を覚えていたりするが宝である。「子供のころって楽しかったよな」と懐古したい方はどうぞ。

巻末で、過去を悔やんでいる部分もあると書いています。楽しかった思い出もあれば、勉強しておけばと考えちゃうんでしょうね。

押切先生の場合は、ゲーム狂いを起こしていたからこそ描けている作品も多いので、そんなに悔やまないで下さいよと伝えたいのがファン心理でしょう(笑)

ピコピコ少年SUPER

初代やTURBOのピコピコ少年では、主にゲーム遊びについて描かれていた。しかしここに来て、外での遊びに挑戦する様や、憧れの女子との色恋エピソードが登場。ネタ切れどころかギアを上げてきている(笑)

面白いのは、レジャー用のゴムボートを友人と買って、普通の用水路を下る遊びをやってしまうこと。いや、確かに中2にはゴムボートに乗ることが楽しいだろうけどアホ過ぎるw

実際、押切少年も作中で、「優等生がこれをやっていたらおかしいが、自分だからできること」と誇らしげ。もはや少年時代ネタで右に出るものはいないのではないのかと思う傍若無人ぶりで笑う。

個人的には「バイバイマタネ少年」が好き。取材される中で、どんどん調子に乗っていく様に笑えてしまって。嫌味なくこういう姿まで表現してくれるところは、やっぱり押切先生は分かっているし期待を裏切らない。

ラストのエピソードは、知らない人は意味が分かりにくい話になっている。ググってもらうと分かるが、スクエニ事件に間接的に触れたエピソード。どん底なのに、なぜか不思議と笑える描き方だった(笑)

ピコピコ少年EX

作者の少年期を描いてきたシリーズだが、本作は近況中心に描いている。スクエニ関係の問題があったりとしんどい中で、やれる限りのことを頑張っている様子も多く描かれていた。

感想としては物足りなさというか、過去3作が押切少年をメインにしていただけあって、中年化した今だと退屈感は否めない。少年時代のハッチャケぶりを期待すると、寂しい思いをするかも

Amazonレビューで1や2がつけられるかも・・と危惧しているシーンもあるが、ゲームネタを自由に使えないことに本人も困っていることが伺える。読者もレトロゲーネタを求めてるからね。

親友である山田氏との話は、親友だからこそ素直に描くことができたのだろう。ちょっと見下していたり、イライラする事があったりなど、かなり関係ができてないと言えない話。あえて書ける関係が羨ましい。

押切先生は攻めなきゃいけないタイプの漫画家さんなので、スクエニ問題で守りに入った期間についてはお察しします。今は解決しているので、今後はまた攻めた押切少年を待ちたいですね。

サユリ

 

ホラー漫画はそんなに読まないが、押切作品ということで張り切って買ったのが本作。次々に家族に不幸が起こっていく怖さたるや・・序盤から雰囲気に圧倒される。

でももっと圧倒されるのは後半。みんなどんどん死んでいくのだけど、ここぞで登場するババアの強さ。「気持ちをしっかり持て」の言葉に、読者の不安さえ吹き飛ばす力がある。めっちゃ好きなシーン。

購入を考えている方には注意点あり。それは、通常版2冊に描き下ろしエピソードを加え1冊にまとめた完全版があること。現時点(2019年9月)では、紙漫画のみだが完全版を推奨しておく。

どうでもいい加筆レベルなら、通常版をおすすめするのだが・・。物語の見せ場に追加しているのため、追加エピソードそのものが、ある意味で名シーンになっている。

カバーイラストだけを見るとホラー漫画なんですけどね。しかし、家族愛や無双バトルもあるので、怖いのが苦手な人も視点を変えて読むことができます。

ミスミソウ

いや~・・キツい。押切作品の中では、最大級に胸糞なため読者はかなり選ぶことになる。イジメを受けた女の子が家を燃やされ家族を奪われ。そんな状態からのサスペンス復讐劇。

彼女がラストに救われるかどうかなんて関係なく、序盤でいきなり放火されているわけなのでこの段階でエグい。こんなにエゲツない内容は、なかなかお目にかかることはない。

復讐手段はバイオレンスな表現も多く、心理的に追い詰めるといったヤワな話じゃない。完全に殺すし、グロ表現を使うほどの惨殺もやっちゃうしで。イイハナシダーとは絶対に言えない(汗)

出てくる奴らがとことんクズ。復讐することを応援してしまう自分がいたのは確かだ。彼女の怒りを読者も見届ける覚悟でどうぞ

押切作品に出てくる人物って、ダークサイドに落ちているキャラはとことこんヤバそうじゃないですか。このストーリーとダークサイドキャラが混ざったことで、より恐怖を煽る漫画になっていると言えます。

焔の眼

敗戦後の日本を舞台にした架空ストーリー。日本人が奴隷のような生活を強いられるなど、なかなかの胸糞作品である。グロ表現もあり、押切作品が好きでも苦手な人もいるかと思われる。

でもそういった鬱憤を一気に晴らしてくれるクロの存在が、救世主として光っている。感覚的には、北斗の拳のケンシロウ。この世の終わりに対する希望になっているため、自然と応援してしまう。

気持ちいいほど無双するので、読み進めるのも楽しみ。とある少女に出会い、彼女を守ろうとする姿勢とか。ビジュアルは怖いが、中身はしっかり優しい男なので心打たれた

6巻で完結するのは、正直な話でいうと寂しいし勿体無い。本作は、押切作品の中でもトップクラスのアクションシーンを詰め込んでいるので、続編も期待してしまうほどだ。

それにしてもクロってどう見ても、ストリートファイターの豪鬼なんですよね(笑)だけど、オリジナルキャラとして存在感を示すため、押切先生の凄さを改めて確認できる作品でした。

ハイスコアガール

格闘ゲームに夢中な少年ハルオを、二人の少女が取り合うラブコメディ。なぜこんな格ゲー中毒の少年がモテるんだと思ったが、その一生懸命さや何気ない優しさが魅力なんでしょ!(嫉妬)

実際、ラブコメとして非常に完成度が高い。主人公のライバルでありヒロインという立ち位置に大野晶が存在する。スト2がめっちゃ強い女子とか、漫画ならではだが良いキャラ。

1990年代にストリートファイター2など格ゲーで遊んだ人なら、ノスタルジックな気持ちになること間違いなし。とにかく格ゲーブームで、あの熱気は田舎に住んでいた僕でも覚えているほどだ。

この作品はベースが格ゲーなので、ハルオの取り合いになる女子2人の戦いもゲームで決着をつけるなど見どころ満載。日高という子だけど、彼女も健気で良い子。なぜハルオを巡り、女子二人が苦しむの・・(苦笑)

サムスピ、ヴァンパイア、餓狼伝説やら。他にも当時流行した2Dゲームが出てくるので、ラブコメが無くても面白いんですよ。タダでさえ面白いのに、ラブコメまで秀逸なため名作認定です。

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