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作家別マンガ批評

あだち充の作品をおすすめ順に紹介【タッチが最高傑作と思うな】

2019年10月1日

あだち充作品の良さにお気づきか。僕があだち作品の良さに気づいたのは、30代に入ってから。それまでなぜ気づかなかったのかと言うと・・。

  • 主人公やヒロインを含む登場人物のイラストがどれも似ている
  • タッチを含め高校野球がテーマに多く甲子園を目指すばかり
  • 昭和的な恋愛像が古臭いイメージで刺激が少ない

こんな感じで、かなり軽視していた。こう書いていても、あだち先生の作品は似たりよったり感がすごいと思う(苦笑)

しかし、あだち作品に対するマイナスイメージは、実はこちら側の都合による偏見だったのだ

なぜなら、あだち充作品の良さは、似た雰囲気や世界観という縛りがあるからこそ光るから。似ているはずなのに、読んでいると全く別作者が描いたような新鮮さが溢れてくる。

僕のようにイメージのみで、あだち充作品を避けていると漫画ファンとして損をする。そこで今回、読みやすくおすすめできる作品をまとめてみた。

あだち充作品をランキングしてみた【感想まとめ】

あだち作品に欠かせないのは、ヒロインの女の子。作風的に、どうしても女の子は似ている。こればかりは仕方がない。

しかしあだち充は、彼女たちに魂を宿らせるので、似ていても全く別人に見させる技術を持っている。そこに気づいてしまうと、あだち充を欲するようになる。

ヒロイン像に触れることがないまま、感想を書くのはむしろ難しくなるほど。そんなあだち充ワールドをおこがましくランキングしてみた。作品数が多いので順次掲載していく。

ショートプログラム ~ガールズタイプ~

オムニバス形式で男女の恋物語を描いている本作。サブタイトルが「ガールズタイプ」なので女子メインで描くと思いがち。確かに女子の存在は大きいが、男子もそれなりに目立っている。

登場する女子も様々。ツンデレ系から積極的にアプローチしてくる子、一途に男子を思い続ける子などがいる。あだち先生らしく、なかなかくっつかないもどかしさは必見。

注目してしまうのは、その後の作品でも似たような作品を送り出し、たちまちヒットしている点。「みゆき」や「クロスゲーム」の原点とも言えるためレア感もある

ドタバタ恋愛コメディ路線だけでなく、シリアスな事情でライバルと戦うなど、あだち充らしさは存分に楽しめる。絵面で見ると多少の古さを感じるが、慣れてしまうとこれがあだち充と思える(笑)

全体的に安定しているので、どれがずば抜けて面白いという話はないんですけどね。それでも個人的に気に入った作品を挙げるなら、恋人宣言かなと。文通が出てくるところとか、あの時代の良さみたいなのを感じます。

冒険少年

オムニバス形式で全7話。主人公は大人だが、少年時代のエピソードを描きつつ現在との繋がりを描く。タイムスリップしたり、幽霊の話が出るなどボリュームのある作品。

あだち充作品なので高校青春モノを期待するところだが、本作のように幼少期に起こった出来事や思い出などから振り返るスタンスも良いと感じた。ノスタルジーを感じられる的な。

大人になるにつれて、色んなしがらみから汚れてしまったりするのだけど・・。作中では、あだち充っぽいというか、それでもラストは美しくまとめ上げてくれる。

好きな作品だと「空色アーチ」や「送信」。特に空色アーチは野球も使っているので、あだち充ファンとしては相性が良いテーマと感じた。なかなか上達しない息子に対する父の冷たい想いの正体とか。出来事の背景がとてもいい。

あだち充作品に出てくる大人の男性を描いている感じですね。ちゃらんぽらんなお父さんを描くことが多い作家さんなので、本作に出てくるような男性を描かれると新鮮味があります。

ショート・プログラム

恋心の届け方を表現するのが抜群。と言っても、美しいものから歪んだものまであるのが、あだち作品の面白さでもあるのだけど。本作もまた、色んな気持ちの届け方を見せてくれる。

好きな男の子の身長に合わせてハードル飛びをやってる女の子とか。実際にはありえないのだけど。ああ~こういう表現で描いちゃうのかという発見がいつもある。それが短編作だろうと変わりはない。

ちなみに好きな話は「プラス1」。無愛想な主人公だけど、想いを寄せる子のために怒るし戦うし。それをキッチリ評価して受け止める女の子の存在感。王道だけど、噛ませ犬キャラを用意してるなど良かった。

あだち先生の作品は、絵だけ見るとそんなに迫力はないのだけど。ターニングポイントでは、これでもかというくらいの気迫が伝わってくるので、結果的に心を奪われてしまう(笑)

最初ページをめくっていくと、あだち先生の写真(若い頃)が掲載されています。顔をはっきりと見る機会はなかなか無いのですが、爽やかな方だなという印象。ご自身で描いている似顔絵とそっくりですよね(笑)

いつも美空

花火で燃えそうになった御神体を守ったことで、13歳の誕生日に超能力を授かる男女たちのストーリー。これ、最初に読んだ時は、正直いち読者としてはそこまで望んでないという思いを抱いてしまった。

どういう意味かと言うと、あだち作品と言えば、スポーツや恋をして、ありきたりな青春を送る。変わらないというと失礼だが、あだち先生には同じようなテーマを繰り返してもらうだけで十分に楽しませて頂けるのだ。

それが超能力を使ってスポーツすることや、中途半端に女優を目指すことになるかもしれない話になっている。また悪意の超能力者との対決とか。ここまでになると、控えめに言って面白いとは言えなくなる。

超能力が役に立たず、実力で強豪ソフトボールチームに挑んでいるあたりは、けっこう良かったんだけどなぁ・・。急転してラストを駆け足で終えたのはいただけない。

あだち先生が描いているものなら何でも読む!の精神で手にしたので、僕としては後悔はしていないです。面白いと思わなかっただけで、あだちファンとしては先生の別の一面を見れたことに感謝。チャレンジしてる感は好きですね(苦笑)

陽あたり良好

主人公の岸本かすみの叔母が管理する下宿「ひだまり」。ここで他の高校生男子4名たちと、学校もプライベートも共にするのだけど・・もうラブコメのために設定された舞台にしか見えない(笑)

住人たちも的確なバランス配置をされており、準主役となる応援団の高杉。体格がよく人のいい有山。二枚目なのにスケベ担当の美樹本。など話の盛り上げ役はしっかりしている。

シリアスは控え目だけど、序盤に出てくる応援団長のエピソードはかなり真面目に読んでしまった。団長は退学するんだけど、めっちゃええ人。好意を寄せる女性への不器用なアプローチ物語となっている。

他エピソードと温度差がすごいのもあり印象に残った。美樹本とか、本当にスケベの限りで、THE昭和の男子高生。いちばん笑わせてくれる男として挙げるなら彼である(笑)

小ネタですが、あだち充作品の「みゆき」に登場する"間崎竜一"が作中でさらっと出ます。 「青華高校」のシーンに出てくるので、機会があればチェックされてみてください(笑)

スローステップ

主人公の中里美夏を巡って、ボクシング部の同級生・秋葉。その1つ上の先輩・門松。その顧問にあたる山桜が恋の争奪戦を繰り広げる。女一人を巡って男三人という四角関係ラブコメ。

美夏の一人二役ストーリーというのは、予備知識なしで読んだので意表を突かれた。まさか、美夏がメガネとカツラで完璧に変身できる設定なんて思いつかない(笑)

変装後は須藤麻里亜を名乗るのだけど、個人的にはこちらの女の子の方が好き。ヒロイン的には弱くなるのだけど、ビジュアルでは印象に残りやすいなと。

ひたすら変装して周りを混乱させているので、正直なところ正体を早くばらして欲しいという願いを抱きながら読んだ。それにしても変装後の麻里亜を好きになった、門松がちょっと可愛そうな作品。

ストーリー的には、ソフトボールもボクシングも描きつつの四角関係なので、慌ただしく感じました。ラストに向けて急転していますが、この作品ならおかしくないとは思います。個人的な評価は低いですが(汗)

SHORT GAME ~あだち充が短編で紡ぐ高校野球~

あだち充先生による短編集。高校野球をテーマに、繊細な男女の気持ちを描いている。脇役キャラになりがちな男子と、そんな彼らを想う女子との交流がメイン。

「エースだけが可愛いヒロインに注目されるなんて不公平だ」と言わんばかりの内容で、読んでいて新鮮さを感じることができた。

何が良いかと言うと、脇役キャラに対する「私はあなたのことを見ていますよ」というメッセージが強く伝わってくる点。エースや4番はみんな見ているので、そういう姿勢の女子を描いていることが嬉しい。(個人的にw)

そう言いつつ、内容としてはそこまでハッキリしたものがなく、どちらかというとぼんやりなストーリー。もちろん読み手の解釈に委ねるのも、あだち作品を楽しむことの一つなので悪い意味ではない。

ちなみに登場する女の子は、ヒロインというより準ヒロインという感じですね。可愛いけど、めちゃくちゃ可愛い感じに描いていないところが逆に良かったなと

ナイン

 

あだち先生が原作者なしで、初めてリリースしたのが本作。やっぱり青春ラブコメを野球でやりたいんだろうなというのが伝わってくる内容。野球部員とマネージャーの恋物語をくすぐったく描いている。

と言っても、まだ本格化する一歩手前の印象を受ける作品で、会話によるやり取りが多い。もっと言葉を減らして、画力だけの雰囲気などで伝えるようになる作者だからこそ思う部分もある。

主人公がお調子者な野球部員で、ヒロインはマネージャーなのも面白い。ヒロインの取り合いなど、ザ・昭和な感じが憎めない。描かれた時代背景もあってか、かなり古臭い男女のやり取りが良かった

個人的には、主人公の新見を好きになった女の子が可愛かった。サブヒロインとは言え、健気で一生懸命。あの手この手で頑張って好かれようとするストレート精神に好感を持てる。それにしても本作は、あだち作品にしてはちょい大人な感じがする。

初回で痴漢が出てくるのですが、その痴漢がエースとして活躍するのは何か微妙な感じがします(苦笑)何かいいことを彼が言っても、「え?痴漢してたやん・・」みたいな(笑)下着泥棒にしろ、発散方法の一つみたいに描かれてるのは時代かな。今ならアウトですね(苦笑)

QあんどA

事故で亡くなった兄・久(通称キューちゃん)が、弟で主人公の厚には見えるという設定。兄が弟の生活に手を出しつつ(主にはいたずらだけどw)、ストーリーは進んでいく。

読者の心を掴み切れているかというと微妙な作品で、幽霊がいるという設定が、あだち充作品におけるリアリティを薄れてさせてしまっていて・・。個人的には微妙というのが素直な感想。

主人公とヒロインが意識しつつも気づかない。ある時になって意識し始めるというお約束はもちろん用意されているのはいいのだが。6巻しかないのに、遊歩の兄の恋愛などサブキャラに割きすぎているのではないかと。

厚の陸上における才能の開花。久から厚への想い。こういった部分は好きなので、見せ場としては面白かった。幽霊が出てしまうことに関しては、もう好き嫌いの領域としか言えない(笑)

ラストは不評ですね(苦笑)ただ、このオチにしたことは僕にとってはそんなに問題に感じませんでした。なぜかと言うと、本作もまたあだち先生からの「読者の方はどう受け止めますか?」という投げかけの意味があるから。

タイトルの通り「QあんどA」ですよね。兄と弟にスポットを当てると、この終わり方も一つの形であると僕は思います。考察させる楽しみを残す。これもあだち流ですね。

初恋甲子園

エースで4番の主人公・沢村俊と、マネージャーの橘純子の青春恋愛ストーリー。若葉高校野球部を舞台に、甲子園を目指す中で起こるドラマを描いている。

今になって読めば王道的な話ではあるが、ここまで王道で描かれてしまうと清々しい気持ち。橘に対する想いを持ったキャッチャー土橋とか、恋愛においては負けるんだけどいい味を出している。

沢村の父親が転勤することで、一時的に食事の世話のために沢村と橘が同棲するのだけど、ちょっとやりすぎかな(笑)実際、橘との同棲がトラブルにもなりかけていたので。

ふと「はだしのゲン」テイストを絵柄から感じる。どこがと言われたら難しいのだけど、あだち先生の過去作なので劇画チックというか。こんな絵も描いていたのかと感動もある。

序盤で沢村の打った打球が子供に当たるんですよね。しかも、その子供を助けるために沢村と橘が血液を分けるという。やりすぎ感はあるのですが、ドラマチックに見えるからいいんです(笑)

じんべえ

血の繋がりのない父親・高梨陣平と娘・美久の父娘コメディ。1巻完結ではあるものの、じんべえから感じられる娘への特別な思いがとても伝わってくる。

亡くなった妻の連れ子である美久を育てているのだけど、途中で本当の父親が連れ戻しに来たり。複雑な関係なので、お互いにギクシャクしたりもするのだけど、心理描写はさすがの上手さ。

父と娘の生活を描くので、漫画としてはインパクトを残す内容ではないのだけど、普通の生活が自然体過ぎて良い。親子として、父娘として男女として。血が繋がっていない距離感が作中から読み取れる。

「本当の親子」という表現が使われていたりするけど、血縁関係だけが全てじゃないと思える作品だった。ラストのシーンは読者の受け止め方次第だけど、本作における名場面。

実は、じんべえは先にドラマで軽く見ていた記憶があるんですよね。田村正和と松たか子の。その時は正直「あんまり面白くないな」と途中で見るのも止めたのですが・・。

いやはや、時が流れ原作を読むと、こんなに出来の良い作品だったのかと驚かされました(汗)

みゆき

連載中から人気だったようだが、30年以上過ぎてコミックを読んでいると「どこが面白いの?」という感想を率直に抱いた。はっきりいうと、つまらないと思って読み進めていた。

しかし、本作はとても良くできた作品であると読後に気づく。なぜなら、ラスト2話で伏線となっていたシーンがすべて回収されるからだ。正直、自分が鈍感だったことも思い知らされた。

最終的に主人公・若松真人がどちらのみゆきを選ぶのか。読者が気になる点は、このテーマ一つに尽きる。この問題は、真人の持つダメさやどっちつかず感が絶妙だからこそ映える。

基本的に1話完結しているラブコメなのだけど、これがあだち充の描く世界感。長期的には繋がっているのだ。シンプルなのに、結末を先読みさせないテクニック。なるほど、だからこういう終わりなのかという衝撃を受けた。

2周目を読むと、まったく違う見方ができるんですよね。男女によっても変わるかも知れません。言われてみれば、確かにこれもあれも伏線だよな・・と分かる時が来ます。

KATSU!

好きな女の子(水谷香月)に近づくためにボクシングを始めた主人公・里山活樹。素人ながらも光り輝くセンスを放つが、実は父親がプロボクサーだったという始まり。

ボクシングが主軸テーマだが、高校生の話なのであだち作品として相性が良かった。まずはヒロイン香月がとても可愛く、彼女のためなら頑張れる活樹の気持ちがよく分かる

どれだけ強かろうと、男女差までは埋められない現実を、香月は背負うことになる。これは香月の悔しさが伝わってくるし、事実どうしようもない性別差として彼女の壁になる。

でも活樹のボクシングを見た香月は、思い描いていた夢を託す決意ができる。王道青春モノなんだけど、あだちマジックというべきか。活樹にはとても期待して読ませてもらった。

ラストは気がついたら終わったんですけどね(苦笑)あだち先生の都合もあったようで、色々と賛否のあるエンディングになる作品。確かにあれ?と思うのも事実ですが、僕は個人的に好きな漫画になりました。香月が可愛かったのは大きいかも(笑)

H2

主人公・国見比呂とライバル橘英雄。そこに幼馴染の雨宮ひかり。比呂の所属する野球部マネージャー・古賀春華の4角関係で展開される。この関係性が肝となり、ラストまで読めない作品となっていて面白かった。

いわゆるベタベタのラブコメにならず、シリアスな恋愛模様も取り入れているのが本作の魅力。実際、物語の終盤になってもやっぱり読めない。さらに物語の解釈は、読者に委ねてくるあだち節も炸裂。

本テーマである野球も素晴らしい。まず比呂の入った学校に野球部が無い。そこに寄せ集めでも、有望選手が揃っていくサクセスストーリーにドラマがある。パワプロ好きだと、選手を作りたくなるレベル。

青春ラブコメかつ野球が土台で、しっかりと対戦過程を描いており十分面白い。それに加え、ひかりや古賀ちゃんの放つ無言の女子メッセージがたまらなく強く心に残る。ひかり派・古賀派で分かれること間違いなし!

H2はあだち充作品の中でも、ラストに向かって独自の解釈が求められるんですよね。あのキャラが発言した真意は?本当はどう思ってる?という具合に。読者によっても見識が別れるところが、この作品の本当の面白さでもありました。ネットを見ていても、未だに議論されているので面白いですよ(笑)

クロスゲーム

 

主人公・コウと、幼馴染である月島家の四姉妹を通して描く野球漫画。三女・青葉の影響から野球を始めるコウだけど、成長と共に意識し合う二人の関係が美しすぎる

実はあだち充作品を初めて通しでまともに読んだのが本作。結果的に名作だったこともあり、一気にあだち充ファンになった思い出。それだけ素晴らしいストーリーと、美しい青春が描かれている。

コウが野球を始めた動機も好きで。青葉のピッチングフォームに憧れて、そこから独自にトレーニングしてたとか。未完成のまま登板しても、それなりの形になったのがカッコいい。

青葉もまた魅力的な子。素直じゃないんだけど、その素直じゃない背景にある気持ちの揺れが絶妙。時系列としては小~高校を描いている。それだけの付き合いを知ってのラストに感動なので間違いない。

コウと青葉のことばかり書いていますが、サブキャラも良いのがクロスゲームの良さ。恋のライバルや、チームメイトなど王道ポジションに素晴らしいメンツが揃っています。文句なしでおすすめ漫画認定

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