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作家別マンガ批評

東村アキコ作品をレビューしてみた【コメディ漫画の天才】

2019年9月16日

女性漫画家で誰が好きですか?と聞かれたら、思い浮かぶのは東村アキコ先生です。

その理由として、女性漫画家ながら男もウケる笑いを表現してくれているから。これ、すごく難しいというか。男性と女性の笑いのツボって微妙に違うのですが、それを自然とカバーしているんです

わかりやすい例を上げると、女性向けのコミックって男性が読むと退屈するというか。刺激が足りないんですよ。そんなハードルを、軽々とクリアしているのが東村アキコ先生なのです。

特にコメディ作品の天才で、クスクス笑える場面を自然な形で描いてしまうんですよね。これが東村作品を好きになった理由でもあります。ということで、彼女の作品をレビューしてまとめました。

東村アキコ作品をレビューしてみた【随時更新】

デビュー当時と現在ではかなり絵のタッチが異なっているんですよね。少女漫画らしいタッチは、女性向けに描いているので当たり前といえば当たり前ですが。

そこから修正して、色んなテイストで描けるのも作者の武器なんですよ。僕はもちろん、今の絵が好きです。

偽装不倫

結婚していないのに、結婚してることを装うという心理があまりわからないです。いや、理解は出来るのだけど、気に入った男性とのハードルになるなら取っ払えば?と思ってしまうスタート。

アラサー女子の独身コンプレックで言っただけなので、「独身でした」と飛行機内で言っておけばこじれなかったような。まあ、その場だけの出会いなら無難に既婚者を装ったほうが楽そうですけどね(苦笑)

尻上がりな作品で、1巻を読んだだけでは「あれ?」と思われてしまうのも確か。2巻も終わりになって、ようやく展開に動きが出てくるので・・。気長に待たせると冷める読者も多いので、もう少し動かしたほうが良かったのではと思います。

30歳独身女性のモヤモヤした焦りみたいなのが伝わってくるのですが、ちょっとタラレバっぽくて被る気がしました。見た目では結婚しているかわからないのに、日本社会は体裁がすごく大事。そんな窮屈な思いを描いています。

読者層としては、韓流ドラマが好きな人向けですね。僕の恋愛観に、国境を超えるイメージがないためか、うーん・・ドラマっぽいというのが率直な感想でした。東村作品は好きですが、本作はファンだから読む感じです(笑)

即席ビジンのつくりかた

本作は美容雑誌で連載された、作者本人の体験コミックです。企画としては「1日で美人になるための、美容サロン&クリニック体験」という感じ。

おおよそ女性向けだろうというのは分かるのですが、どうせ面白おかしく描いているはずと気になって読みました(笑)実際、やっぱり笑ったので読んで良かったです。作者の自虐性がいかんなく発揮されています(笑)

美容サービスの宣伝も入っているので、オーバー表現はあるかと。なので、読んだだけで美人になれる本ではないのでご注意を・・。

女性が読んだらどう思うのかは分かりにくいですが、「女性ってそこまで美容にお金をかけるんか!」という気持ちでいっぱいになりました。お金のあるセレブ向けの漫画ですが、先生のはしゃぎぶりを楽しむ作品です。

一日で美人になろうという企画ですが、そこからキープしようと思うとやっぱり通わないといけないと思うんですよね。女優さんとか、こういうのばっかやってんのかな(汗)

かくかくしかじか

東村先生がまだ漫画家になる前のエッセイ作。美大受験を控えていた高校当時、絵画教室に通うことになったシーンから描いています。恩師となる日高先生を中心にしたエピソード漫画。

ちょっと怖い先生でもあるので、人によって良い先生かどうかは判断が分かれるところ。僕だったら、ちょい引くというか。今の時代に照らし合わせるとマズイようにも思いました(汗)

しかし、日高先生があっての東村先生というのも作中ですごく伝わるんですよね。「とにかく描け」ということを教え子に説くのですが、まさに東村先生の今に繋がっているかと

確かに作者は数を打つ漫画家さんで、同時連載もやってのけるんですよ。漫画家は個人で磨き上げていく分野の仕事。なので厳しく教わることも少なくなりがちですが、日高先生のような恩師があっての今ということなんでしょう。

東村先生のデビュー作もOLをやりながら描いた漫画だったそうです。もちろんタフなのもあると思いますが、とにかく描かないと始まらない姿勢。これは読者としても勉強になりました。

ママはテンパリスト

初めて東村アキコ作品に触れたのが本作でした。エッセイ漫画として、作者の育児体験を描いています。息子であるごっちゃんとの奮闘記で、育児漫画でも群を抜いた面白さが見どころ

どこが面白いのかを振り返ってみると、東村先生が独特に持っている笑いの間ですよね。漫画って笑わせに来てる事がわかると、読者も気づいて笑えないことがあるのですが・・。

本作の場合は、笑わせに来ていると分かっても、作者のアホフィルターを入れてくるので面白い訳です。先生には失礼ですが、「子供よりこの女の人(作者)がウケるw的な感想が生まれるんですよ(笑)

「育児の大変さ」をどう表現するかって、個々の視点じゃないですか。「育児の困難さを、私はこんな風に見ています」という、いわゆる盛った表現が絶妙のさじ加減で素晴らしい。(たぶん盛ってるはずw)

育児の真っ只中で、大変な思いをしている方には特におすすめしたいです。東村先生も、作中では笑いに変えつつも、実際は苦労してるんだろうな・・という場面も多くあるので。

子育てでしんどい・・と思ったときほど、笑いたくなる視点で子供を見るといいのではないでしょうか。まあ、僕は子供がいないので偉そうには言えませんが(苦笑)

東京タラレバ娘

ずばりアラサー世代の女性は読むべき。結婚したくても、女友達とつるんで何も結果が出てない人には全力でおすすめできる婚活バイブルです。ええ、漫画ではなく婚活バイブルです。

僕自身も結婚したいなと。婚活をしたりしているのですが、ある一定の年齢になると誰かに苦言を呈されることがなくなるんですよね。婚活仲間でも傷を舐めあって進んでないとかよくあります

それがタラレバ娘では厳しく指摘されていて、恋愛に臆病になっているアラサーには刺さるものがあります。作者も、結婚できないと嘆いている人に向けて描いたというだけあってやはりバイブルなのです。

コミックも途中から、巻末で恋愛相談コーナーを設けているので、そこも楽しみに読むことが可能。「結婚したい!だけど結婚できていない!」という方なら、男女問わずにおすすめです。

東村先生の話を聞いていると、色んなところで恋愛相談を受けてるみたいなんですよね。でも恋愛相談ってだいたい定型化されているので、漫画化して答えるという手法も有効だと考えたのだと思います。

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